歯医者でしか買えない歯ブラシと市販の歯ブラシは何が違うのか
歯ブラシは、コンビニやスーパー、ドラッグストアなど、あらゆるお店で手に入るため、特別なこだわりはなく、目に付いたものを購入している方が多いかもしれません。その一方で口腔ケアに強い関心があり、歯医者でしか買えない歯ブラシに魅力を感じている方もいらっしゃることでしょう。
いわゆる「歯科専売品」である歯ブラシは、市販の歯ブラシと何が違うのか?今回はそんな疑問に吉祥寺駅より徒歩3分のハート・イン歯科クリニックがお答えします。
歯科専売品とは?
そもそも「歯科専売品」とは何なのか?これは文字通り歯医者でしか販売していない口腔ケア用品を指します。皆さんが通っている歯科医院でも受付の周りや待合室の片隅に、歯科専売品の歯ブラシや歯磨き粉、マウスウォッシュなどが並んでいるかと思います。それらをよく見てみると、ドラッグストアや薬局では売っていないものであることがわかります。
製品名やパッケージのデザインもそうですが、用途ごとにケア用品の種類が分かれている点に目が引かれます。費用も市販の製品よりやや高いことから、手に取りづらい印象を受けるかもしれません。そこで気になるのが歯医者でしか買えない歯ブラシと市販の歯ブラシの違いです。
歯医者でしか買えない歯ブラシと市販の歯ブラシの違い

歯医者でしか買えない歯ブラシと市販の歯ブラシには、以下に挙げる3つの違いが見られます。
【違い1】 JIS規格を満たしているか否か
コンビニやドラッグストアなどで気軽に手に入る歯ブラシは、JIS規格(日本工業規格)を満たした製品で、毛先の長さや使用する材料などが厳密に決められています。つまり、たくさんの制限がかかった中で歯ブラシを作らなければならないため、どれも同じような形や使用感となってしまうのです。これは製品の品質を保証するという観点からはメリットも大きいのですが、多様なニーズが発生する口腔ケアの領域では、デメリットにもなり得ます。
一方、歯医者でしか買えない歯ブラシは、JIS規格にとらわれずに作られており、多様な機能やデザイン、使用感を実現できます。
【違い2】口腔内の状態に合った歯ブラシを選択できるか否か
上述したように、歯科専売歯ブラシはJIS規格にとらわれておらず、さまざまな種類が開発・販売されています。具体的には、歯周病用、ホワイトニング用、インプラント用、矯正用、介助用などの種類に分かれ、それぞれの口腔状態や全身状態に最適と言える歯ブラシを選択できます。JIS規格に則って作られている市販の歯ブラシでは、このような用途による使い分けはできません。
【違い3】使いやすいかどうか
汎用性という観点では、間違いなく市販の歯ブラシの方が高いといえます。市販の歯ブラシは、どの年代の方でも容易にブラッシングできるような設計となっているからです。その点、口腔内の状態や用途に特化した歯科専売歯ブラシは、正しく取り扱うための練習が必要です。口腔ケアの専門家からレクチャーを受ける必要があるため、歯医者でしか買えない歯ブラシとなっているのです。
もちろん、市販の歯ブラシが使いやすいからといって歯科専売歯ブラシより優れているというわけではありません。歯医者でしか買えない歯ブラシは慣れるまでに少し時間がかかりますが、インプラントを装着していたり、矯正治療中であったりするなど、特殊な口腔環境では、極めて大きな清掃効果を発揮してくれます。
歯医者で歯ブラシをくれる理由は?

定期検診などで歯科を受診すると、診療後に歯ブラシをもられることがあります。その歯ブラシを自宅で使ってみると、普段使用している市販の歯ブラシより使いやすい、磨き残しが少なくなったと感じたら、それはもしかしたら歯科専売歯ブラシかもしれません。
多くの場合は、ブラッシング指導をした歯ブラシをそのまま患者さんにお渡しすることになります。つまり、患者さんの歯並びや装着している装置は、その歯ブラシでレクチャー通りに磨くのが正解であるということをお伝えしています。歯医者で歯ブラシくれる理由は、歯科医院によっても変わりますが、基本的には患者さんの口腔ケアをサポートすることを目的としているのです。
オススメの歯科専売歯ブラシ
続いては、歯科専売歯ブラシの種類をご紹介します。

虫歯用歯ブラシ
TePe SELECT COMPACT
「TePe(テペ)」は、予防歯科の先進国であるスウェーデンの企業で、口腔ケア用品を開発・販売しています。スウェーデン人のほとんどが使用している歯ブラシでもあり、日本人にもオススメです。
歯科用DENT.EX SlimheadⅡ
ライオンが販売している歯科専売歯ブラシです。コンパクトなヘッドとロングネックが特徴の歯ブラシで、操作性が良く、お口の奥まで丁寧に清掃できます。
歯周病用歯ブラシ
歯科用DENT sysytema SP-T
毛先がやわらかく、歯周病安定期にも安心して使える歯ブラシです。
ホワイトニング用歯ブラシ
W-10white rusello
歯面のステインを効率良く落とせる設計の歯ブラシです。ルシェロのホワイトニング用歯磨き粉と併用することで、歯を白くする効果をさらに高められます。
インプラント用歯ブラシ
DENT.EX Implant Care
インプラント専用の歯ブラシで、US・OT・TRの3種類が販売されています。USは、人工歯根を顎の骨に埋めてから、上部構造を装着するまでの期間に使用する超ソフトタイプ。OTは、人工歯根の埋入手術後からメンテナンスの期間に使用するワンタフトタイプ。TRは、インプラント治療が終了した後から使用する2列植毛タイプです。
口腔粘膜ケア歯ブラシ
ERAC510
歯ではなく、舌や頬の内側、口蓋の粘膜をケアするための歯ブラシです。とてもやわらかい植毛が使われており、敏感な口腔粘膜もやさしく清掃できます。
矯正用歯ブラシ
DENT.EX Orthodontic
ブラケットやワイヤーが固定された部分も効率良くブラッシングできる歯ブラシです。2列植毛や中央部U字型、ネックに角度がつけられたタイプなど、市販の歯ブラシとは見た目も機能も大きく異なる特徴があります。
介助用歯ブラシ
ERAC541
手や指を細かく動かすことができない要介助者向けの歯ブラシです。介助者がブラッシングしやすいような設計となっています。
まとめ
今回は、歯医者でしか買えない歯ブラシである歯科専売歯ブラシについて、吉祥寺駅から徒歩3分のハート・イン歯科クリニックが解説しました。歯科専売歯ブラシは、歯周病用やインプラント用、介助用など、それぞれのお口や全身の状態に特化した設計となっており、市販の歯ブラシでは得られない清掃効果が期待できます。
その分、費用が高くなったり、歯医者でしか買えなかったりするなど、デメリットも伴いますが、お口の中に特別な装置などが入っている方にはオススメの口腔ケア用品といえるでしょう。そんな歯医者でしか買えない歯ブラシと市販の歯ブラシの違いをもっと詳しく知りたい、実際に手に取って見てみたいという方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。