2025.10.9

根管治療の失敗で起こる症状とは?再治療が必要なサイン

むし歯による細菌感染が神経にまで広がると、根管治療が必要となります。通常のむし歯治療よりも手間や時間がかかり、心身にかかる負担も大きい治療となりますが、失敗することもあるのが現実です。今回は、根管治療で失敗した場合に見られる症状や再治療が必要なサイン、成功率を高める方法について吉祥寺駅徒歩3分の歯医者ハート・イン歯科クリニックが詳しく解説をします。


根管治療とは?なぜ失敗することがあるのか

私たちの歯は、頭の部分である歯冠(しかん)と根っこの部分である歯根(しこん)の2つに大きく分けられます。通常のむし歯治療は、歯冠の肉眼で見えている部分だけを削って詰めるため短期間で終わり、失敗するリスクも低いといえます。

一方、根管治療は、歯根の中心部分に存在している根管(こんかん)をさまざまな器具や薬剤を使って清掃する処置であることから、通常のむし歯治療とは性質が大きく異なります。

歯根

根管治療で失敗するのはなぜ?

根管治療では、肉眼で見えない根管の中をリーマーやファイルで削ったり、汚れをかき出したりします。これはいわゆる“盲目的処置”となることから、本当に汚れが取れているかどうかを視認できません。

また、根管の壁は傷つきやすく、力加減を間違えるとヒビを入れたり、穴を開けたりすることもあり、トラブルが起きやすい点にも注意が必要です。その他、レントゲン画像でも確認できないような根管の枝分かれ(側枝)がある場合も細菌の取り残しによって根管治療が失敗します。このように、根管治療というのは失敗する理由がたくさんある治療といえるのです。

保険診療の根管治療の成功率について

ここまでの解説は、基本的に保険診療の根管治療を想定しています。日本の保険診療では、肉眼での処置を前提としており、使用できる器具や薬剤にも厳密な制限がかかっています。1回の診療にかけられる時間も短いことから、さまざまなアドバンテージがある自費診療の根管治療よりも成功率が著しく低くなっているのです。具体的には、保険診療の根管治療の成功率は4割程度であるのに対し、自費診療は9割のケースで成功するといわれています。

根管治療が失敗したときに出やすい症状

治療が失敗

根管治療が失敗したときに見られる症状は、治療から1週間までと2週間目以降で少し異なります。

【治療から1週間まで】

  • 痛み止めを飲んでも眠れないほど痛い
  • 日を追うごとに痛みが強くなっていく
  • 治療から1週間経過しても痛みや歯茎の腫れが治まらない

根管治療の痛みや腫れは、治療から2~3日くらいでピークを迎えることから、この期間中は痛み止めが効かないくらい強い痛みが生じることもあります。そのため根管治療の失敗による症状であるかどうかは、治療直後に見極めるのはなかなか難しいです。それでも事前に説明を受けた症状の範囲を超えているようであれば、速やかに主治医へ連絡しましょう。

【治療から2週間目以降】

  • 強い痛みが持続している
  • 歯茎にデキモノが生じる
  • 歯茎から膿が出てくる
  • 歯が浮いたような感覚がある
  • 治療した歯で噛むと強い痛みが生じる
  • 頭痛や発熱がある

根管治療が失敗したケースで2週間目に入ると、歯や歯茎、全身にさまざまな症状が見られることがあります。もっともわかりやすいのは、歯茎に生じる赤いデキモノです。これは歯の根の先に膿の塊ができる根尖性歯周炎の症状で、黄色い膿が出てくることもあります。歯が浮いたような感覚や治療した歯で噛むと痛い場合も根管治療の失敗による症状と考えられます。根管治療が失敗した重症例では、頭痛や発熱といった全身の症状も現れることがあるため、十分にご注意ください。

残念ながら失敗が疑われるときの対処法

再治療

根管治療後に上記の症状が見られる場合は、治療の失敗が疑われることからまずは主治医に診てもらってください。検査を行ったうえで根管治療の失敗と判断された場合は、以下の方法で対処します。

再根管治療

初回と同じ方法で再び根管治療を行います。その際、根管内の充填物等は撤去する必要があり、詰め物や被せ物を装着している場合は、それらも外さなければなりません。また、過去に根管治療を行った歯は、根管の壁が薄くなっていたり、物理的・化学的にダメージを受けていたりすることから、再根管治療の難易度は高くなり、成功率は低下するのが一般的です。1本の歯に対して行える根管治療は、3回くらいが限度といわれている点にも注意が必要です。

精密根管治療

標準的な根管治療で失敗した場合は、先進の医療機器を活用した精密根管治療で治す選択肢もあります。例えば、ハート・イン歯科クリニックでは、治療中の視野を肉眼の5~20倍程度まで拡大できる拡大鏡(ルーペ)やマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)、無菌的な環境に近づけられるZOO(防湿器具)、柔軟性があるレシプロックという電動式ファイルを使うことで、根管治療の精度を高めています。その結果、根管治療の成功率も高められます。

歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)

根管治療が失敗して、再根管治療を行っても改善が見込めないような症例には、歯根端切除術が適応されることがあります。根尖病巣を歯の根の先である歯根端ごと切除する治療法で、外科的歯内療法に分類されます。歯茎をメスで切開して、骨に小さな穴を開ける必要があるため、患者さんの心身にかかる負担は大きくなりますが、難治性の根尖病巣にも有効であることが多いです。感染源をすべて取り除いたら、根っこの方からMTAセメントなどを詰める逆根管充填を行って処置は完了します。

再治療でも治らない場合の選択肢

再根管治療や歯根端切除術でも治らない症例は、抜歯が必要となります。抜歯後の補綴治療には、いくつかの選択肢が用意されています。

抜歯

抜歯

患部を清潔にし、炎症反応を抑えたのち歯を抜きます。歯冠の歯質がほとんどなく、残根状態に近い症例は、抜歯に時間がかかったり、術後の痛みが強く現れやすくなったりする点に注意が必要です。

補綴治療

抜歯後の補綴治療としては、ブリッジ、入れ歯、インプラントという3つの選択肢があります。ブリッジや入れ歯は、保険が適用され、外科処置も不要であることから、補綴治療にお金や手間をあまりかけたくないという方にはおすすめです。抜いた歯を歯根からしっかりと回復し、天然歯に近い見た目や噛み心地を手に入れたいという方にはインプラントが推奨されます。
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まとめ

今回は、根管治療の失敗で起こる症状や再治療が必要なサインについて解説をしました。根管治療は、根管という肉眼では確認できない部位を無菌化する処置なので、従来の方法では病変の取り残しや根管壁を傷つけるなどのトラブルが起こりやすいです。その結果、強い痛みがいつまでも治らなかったり、歯茎から膿が出てきたりした場合は、再治療が必要なサインとなります。

こうした難症例でも精密根管治療に対応しているハート・イン歯科クリニックなら、しっかり治すことができるかもしれませんので、吉祥寺のお近くにお住いの方はいつでもお気軽にご連絡ください。

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