2026.2.2

定期的に歯のクリーニングに行ってるのに虫歯になりました

歯のクリーニングを受けているのに、なぜか虫歯になってしまった。これは患者様からよくいただくご相談のひとつです。歯医者にきちんと通っているのに虫歯ができると、「意味がなかったのでは?」と不安や不信感を抱いてしまう方も少なくありません。しかし実際には、歯のクリーニング=虫歯を完全に防げるというわけではなく、いくつかの理由が重なって虫歯が発生することがあります。

このコラムでは、歯のクリーニングを受けていても虫歯になる理由や、検診との違い、そして虫歯ができてしまったときの正しい考え方について、歯科医師の立場からわかりやすく解説します。

定期的に歯医者に通っているのに虫歯になるのはなぜ?

虫歯

歯のクリーニングは、歯面に付着した汚れや歯石を除去し、口腔内を清潔に保つための大切な処置です。しかし虫歯は細菌・糖分・歯の質・時間といった複数の要素が関係して発生します。そのため、定期的に歯医者に通っていても、生活習慣や噛み合わせ、歯並び、セルフケアの状態によっては虫歯ができてしまうことがあります。大切なのは「なぜ虫歯ができたのか」を正しく理解し、今後の予防につなげることです。

クリーニングしていても虫歯になる主な原因

毎日の歯みがきで落としきれない汚れがある

歯のクリーニングは、歯石や歯の表面に付着した汚れを専用の機材や薬剤を使って除去できる有効なケアですが、受診の頻度は月に1回、あるいは数か月に1回というケースが一般的です。一方で、虫歯の原因となる細菌は、毎日の食事や間食のたびに活動します。

歯のクリーニング

特に、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、歯並びが重なっている部分などは、歯ブラシが届きにくく、セルフケアだけでは汚れが残りやすい場所です。こうした部位に細菌が長時間とどまることで、目に見えないうちに虫歯が進行してしまうことがあります。

噛み合わせや歯並びの影響

噛み合わせに偏りがある場合、特定の歯に過度な力が集中しやすくなります。その結果、歯の表面に肉眼では確認しにくい細かな亀裂が生じ、そこから虫歯が進行するケースがあるのです。

また、歯並びが重なっている部分や凹凸の多い部位は、清掃性が低くなりがちです。歯のクリーニングを定期的に受けていても、日常の歯みがきで十分に汚れを落としきれない状態が続くと、虫歯リスクが高くなる傾向があります。

間食や飲み物の習慣

虫歯のリスクは、甘いお菓子の摂取だけで決まるわけではありません。スポーツドリンクや清涼飲料水、甘味のあるコーヒーや紅茶などを頻繁に飲む習慣があると、口の中が酸性に傾いている時間が長くなります。この酸性の状態が続くと、歯の表面が溶けやすくなり、虫歯が発生・進行しやすくなります。歯のクリーニングを受けていても、日常の飲食習慣が虫歯に影響することは少なくありません。

歯の質や唾液の量の個人差

歯の強さや唾液の分泌量には、患者様ごとに大きな個人差があります。唾液には、口の中を中性に戻し、細菌の働きを抑える重要な役割がありますが、唾液の量が少ない方や、口が乾きやすい方は、虫歯になりやすい傾向があります。こうした体質的な要因は、大人だけでなく子どもにも見られるため、歯のクリーニングとあわせて、ご自身の口腔内の特徴を把握することが大切です。

実は「クリーニング」と「検診」は同じではありません

検診

クリーニングは「汚れを落とす処置」

歯のクリーニングは、歯面や歯と歯ぐきの境目に付着した歯石、着色汚れ、細菌のかたまり(プラーク)を専門的に除去することを目的とした処置です。日々の歯みがきでは取りきれない汚れを取り除くことで、歯ぐきの炎症を抑え、歯周病の進行を防ぐ効果が期待できます。ただし、クリーニングはあくまで「現在付着している汚れをきれいにする」ための処置であり、虫歯そのものを見つけたり、進行度を判断したりすることが主な目的ではありません。

検診は「異常がないかを確認する診察」

一方で検診は、虫歯の有無や進行の程度、歯ぐきの状態、噛み合わせ、詰め物や被せ物の劣化・ズレなどを総合的に確認する診察です。初期の虫歯は痛みが出にくく、見た目でも気づきにくいことが多いため、専門的なチェックが欠かせません。検診では、レントゲン検査や視診、触診などを通して、患者様ご自身では気づけない変化を早期に発見することを目的としています。

両方を組み合わせることが重要

「歯のクリーニングは受けているが、検診は特に意識していない」という場合、汚れは取れていても、初期の虫歯やトラブルを見逃してしまう可能性があります。歯のクリーニングと定期検診は役割が異なり、どちらか一方だけでは十分とは言えません。汚れを取り除くケアと、異常を早期に見つけるチェックを組み合わせることで、虫歯や歯周病を未然に防ぎやすくなります。

虫歯ができてしまったときの考え方

虫歯

「通っていたのに」と自分を責めない

歯のクリーニングに定期的に通っていても、虫歯が見つかることは決して珍しいことではありません。虫歯は複数の要因が重なって発生するため、どれだけ予防を意識していても完全に防ぎきれない場合があります。

大切なのは、「通っていたのに意味がなかった」と考えることではなく、定期的に歯医者を受診していたからこそ、早い段階で虫歯を発見できたという点です。結果として、大きな治療を避けられたケースも多く、これまでの通院は決して無駄ではありません。

原因を一緒に見直すことが大切

虫歯が見つかった場合は、治療そのものだけでなく「なぜ虫歯ができたのか」を振り返ることが重要です。歯みがきの仕方や磨き残しやすい部位、フロスや歯間ブラシといった補助清掃用具の使用状況、間食や飲み物の習慣など、原因は患者様ごとに異なります。歯科医師や歯科衛生士と一緒に口腔内の状態を確認し、無理のない改善点を見つけていくことで、今後の虫歯の再発リスクを抑えることにつながります。

予防は積み重ねが重要

虫歯予防は、一度の歯のクリーニングで完結するものではありません。毎日のセルフケアを基本とし、その状態を定期的に歯医者で確認・調整していくことが大切です。歯のクリーニングと検診を継続して受けることで、小さな変化に早く気づくことができ、結果的に歯への負担を最小限に抑えやすくなります。予防は「特別なこと」ではなく、日々の積み重ねによって成り立つものだと考えていきましょう。

まとめ

歯のクリーニングに定期的に通っていても虫歯になることはありますが、それは決して珍しいことではありません。虫歯はさまざまな要因が重なって発生するため、クリーニングだけで完全に防ぐことは難しいのが現実です。

大切なのは、クリーニングと検診の違いを理解し、両方を適切に受けること、そして日常のセルフケアや生活習慣を見直すことです。虫歯ができてしまった場合も、早期発見・早期対応ができれば歯への負担は最小限に抑えられます。歯医者を「治す場所」だけでなく、「守るために通う場所」として活用していきましょう。

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