2024.1.23

虫歯を10年以上放置してしまっても恥ずかしがらずに歯医者に来てください

虫歯は、強い痛みが生じたり、歯そのものがボロボロになったりする病気ですが、歯科を受診せずに放置してしまう人も少なくありません。それはおそらく歯科治療への恐怖心と、口腔というデリケートな部分を見られたくないという意識が働くからなのでしょう。そうした背景もあり、患者さんの中には虫歯を10年以上放置している方もいらっしゃいます。

今回は虫歯を10年以上放置してしまった場合でも、いろいろな方法で治すことができるということを吉祥寺のハート・イン歯科クリニックがお伝えします。虫歯で歯がボロボロになっていたとしても、恥ずかしいとは思わずに当院までご相談ください。

虫歯を10年以上放置したらどうなる?

そもそも虫歯というは、10年以上放置することは可能なのか?普通の病気であれば、それは難しいように感じられますが、虫歯の場合は可能といえます。もちろんそれが虫歯を10年以上放置しても良い、ということにはなりませんので、その点はご注意ください。

虫歯

虫歯がたどる経過について

虫歯の進行度は、CO~C4までの5段階に大きく分けられます。

  • CO:初期の虫歯
  • C1:エナメル質の虫歯
  • C2:象牙質の虫歯
  • C3:神経に達した虫歯
  • C4:残根状態(ざんこんじょうたい)

要観察歯(ようかんさつは)であるCOは、歯の表面に白いシミがあるだけで、穴はあいていません。その状態を放置していると、エナメル質に穴があき、象牙質まで浸蝕していきます。このC2の状態までは、若い人だと比較的早く進行し、やがては歯がズキズキと痛む神経の症状が現れます。

それはC3における自発痛で、日常生活に支障をきたすほどの痛みを伴うこともあるため、そこで歯科を受診する人が多いといえます。つまり、10年以上、虫歯を放置している人は、そのタイミングでも歯科を受診しておらず、歯の神経がもうすでに死んでいる可能性が極めて高いといえます。

歯の神経が死ぬことで痛みを感じなくなる

10年以上放置した虫歯では、歯髄壊死(しずいえし)と呼ばれる症状が起こっていることから、虫歯による痛みも消失しています。それまで苦しめられていた痛みが嘘のように消えるので、虫歯が自然治癒したものと勘違いする患者さんも少なくありません。

けれども実際は、痛みの受容器がなくなっただけで、病変は依然として残り続けています。歯の頭の部分である歯冠(しかん)はボロボロになり、歯根部の崩壊も緩やかに進んで行くことでしょう。さらには、根っこの先に膿の塊が生じる根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)という病気を発症します。

根っこの病巣が新たな症状を引き起こす

歯根の中で繁殖した細菌は、根尖孔(こんせんこう)という根っこの先の小さな穴から外側に漏れ出て病巣を作り始めます。歯茎の腫れや膿の排出が認められたり、噛んだ時に痛みを感じたりする場合は、その病巣が原因である可能性が高いです。

いわゆる根尖性歯周炎の感染源は、根管内にあることから、虫歯自体を治さなければ症状の改善も見られません。細菌が繁殖して、膿も排出されていることから、口臭も強くなっていることでしょう。それが10年以上放置した虫歯がたどる経過といえます。後段で詳しく解説しますが、虫歯はこの状態からさらに悪い方向へと進展するリスクをはらんでいます。

新たなお口トラブルを引き起こす

10年以上放置した虫歯の治療法

10年以上放置した虫歯の治療法は、歯の状態によって変わってきます。

ケース1:歯の保存が可能な場合

根管治療+被せ物治療

10年以上放置した虫歯は、歯がボロボロになっていて見た目も恥ずかしいと感じるかもしれませんが、口腔ケアの状態が良ければ、歯を残せる可能性も十分にあります。その場合は、根管治療を行って感染源をすべて取り除いた上で、土台と被せ物を装着します。根管治療には少し長い期間を要しますが、保険診療で受けられることから、治療費も数千円程度に抑えられます。被せ物に関しては別途、治療費がかかりますので、その点はご了承ください。

ケース2:歯の保存が不可能な場合

  • 抜歯+補綴治療
  • 抜歯+歯牙移植

虫歯がC4まで進行していて、歯根までボロボロになっているケースでは、歯の保存が難しいといえます。根管治療を行っても奏功しないため、抜歯が第一選択となりやすいです。歯を抜いた後は、入れ歯やブリッジといった補綴装置(ほてつそうち)を装着することで、見た目も噛む機能もある程度まで回復できますので安心してください。補綴装置の審美性や機能性を追求したいという人には、インプラントをご提案することができます。状態の良い親知らずがあれば、それを欠損部に移植することも可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

最悪、死亡するケースも?今すぐ歯医者に来てください

歯医者

このように、10年以上放置した虫歯でも、必ず治療する方法が存在します。歯を抜いてしまったら意味がないと感じるかもしれませんが、保険診療の入れ歯やブリッジでも欠損部の見た目や噛む機能を十分回復できます。インプラントなら天然歯にそっくりな見た目と噛み心地が手に入ることでしょう。10年や20年放置した虫歯でも、そうした治療法が用意されているということをまずは知っておいてください。

また、上でも少し触れましたが、虫歯の症状は歯だけにとどまるわけではありません。ボロボロになった歯が恥ずかしいという理由で、虫歯を10年、20年放置していると、顎骨骨髄炎(がっこつこつずいえん)や上顎洞炎(じょうがくどうえん)、蜂窩織炎(ほうかしきえん)といったより広い範囲の炎症性疾患を引き起こすことがあるのです。

最悪のケースでは、虫歯菌が血管に入り込み、敗血症や感染性心内膜炎を発症することで死亡する場合もあるため十分にお気をつけください。10年、あるいは20年放置した虫歯でも手遅れということは決してありませんので、心当たりのある方は早急に吉祥寺のハート・イン歯科クリニックまでご連絡ください。

まとめ

今回は、虫歯を10年以上放置してしまった場合の治療法について、吉祥寺のハート・イン歯科クリニックが解説しました。虫歯を10年以上していると恥ずかしくて歯医者に行けない、治療費が高くなりそうで不安、治療の痛みが怖い、といったネガティブなイメージをされている方が多いかと思いますが、いざ歯科を受診してみるとそうではないことがすぐにわかります。そもそも歯医者は医療人であり、患者さんの病気を治すことが使命ともいえる職業なので、例えば歯がボロボロになっていたとしても軽蔑するような人間はいません。

また、10年以上放置した虫歯でも保険が適用されますし、治療費は皆さんが想像しているほど高くはなりませんので、その点もご安心ください。それよりも虫歯をさらに放置して、死亡するリスクのある合併症にかかることを心配するようにしましょう。繰り返しになりますが10年放置した虫歯でもいろいろな方法で治すことが可能となっています。

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