歯のヒビ割れを歯医者さんに「放置しましょう」と言われた方へ

歯を構成するエナメル質は、再生することがない組織であるため、ヒビ割れが生じたら不安に感じるものです。歯が痛くない状態であっても、すぐに治療を受けた方が良いのでは?と考える方もいらっしゃいます。しかしながら歯のヒビ割れで歯医者さんを受診しても「とりあえず放置しましょう」と言われるケースも少なからずあります。

そこで今回は、痛くない歯のヒビ割れで「放置してOK」と診断される理由やその後の注意点、痛くない歯のヒビ割れを治療する方法などを吉祥寺駅3分のハート・イン歯科クリニックがわかりやすく解説をします。

歯のヒビ割れを「放置してOK」と判断する理由

歯はかけがえのない器官であり、少しでも異常が生じたら適切な処置を施すべきですが、「歯のヒビ割れの程度が軽く、明らかな異常を引き起こすリスクが低いと診断した場合は、放置してもOKとなります。具体的には、次の条件を満たす場合に歯のヒビ割れを放置しても問題ないと言えるでしょう。

放置してOK

痛くない

歯のヒビ割れが生じても痛くないということは、少なくとも歯の神経に達するようなダメージが及んでいないことを意味します。もちろん、歯のヒビ割れが比較的大きくても痛くないことは多々あるため、この点だけで放置してOKということにはなりえません。あくまで歯のヒビ割れを放置しても良い条件のひとつと考えましょう。

ヒビ割れの範囲が浅くて狭い

ひと言で歯のヒビ割れと言っても、その範囲はケースによって大きく変わります。当然ですが歯のヒビ割れの範囲が広くて深い場合は、痛くない状態であっても治療せずに放置するという選択肢はありません。例えば、歯のヒビ割れがエナメル質を越えて象牙質まで到達している場合は、むし歯のリスクが高まりますし、冷たいものがキーンとしみる知覚過敏も起こりやすくなることでしょう。

歯のヒビ割れがエナメル質内にとどまっている場合でもその範囲が広ければ、さまざまなリスクを伴うため、放置せずに治療するのが一般的です。そもそも広範囲に及ぶ歯のヒビ割れは、歯垢や歯石がたまりやすく、細菌にとっては絶好の繁殖の場となることを知っておかなければなりません。

見た目に悪影響が及んでいない

歯の裏側や奥歯などにヒビ割れが生じている場合は、見た目に悪影響が及びにくいです。前歯のヒビ割れであっても、浅くて狭かったり、ヒビ割れの方向によっては目立つことがなかったりするため、治療せずに放置する選択肢もあります。

放置期間中に気をつけたい生活習慣

歯医者さんで歯のヒビ割れを放置しましょうと診断されたら、以下に挙げる生活習慣に気をつける必要があります。

歯ぎしり・食いしばり

歯をギリギリとこすり合わせたり、グッと食いしばったりする習慣は、歯に対して驚くほど強い圧力をかけます。実は、歯ぎしり・食いしばりは、歯のヒビ割れを引き起こす主な原因なのです。そのため歯のヒビ割れを放置している期間中に歯ぎしり・食いしばりをする習慣があると、亀裂の範囲がさらに広がってしまいます。その結果、歯が大きく割れるという可能性も否定できないことから、歯のヒビ割れを放置している期間中は、普段以上に歯ぎしり・食いしばりには気をつけたいものです。歯ぎしり・食いしばりをご自身の意志で改善できない場合は、歯医者さんでマウスピースを使ったスプリント療法などを受けることが推奨されます。

極端に硬い食べ物を噛む

歯のヒビ割れは、歯が物理的な損傷を受けている状態なので、必要以上に大きな負担をかけるのは望ましくありません。具体的には、ナッツ類やおせんべい、フランスパンなどを「習慣的に」食べている
と、歯のヒビ割れの症状が悪化するかもしれません。噛み応えのある食べ物を噛むこと自体は悪くないのですが、ヒビ割れという傷口を広げるような食習慣は避けるようにしてください。

歯磨きをするタイミングや回数、方法

歯のヒビ割れが生じている部分は、その他の部分よりも汚れがたまりやすく、むし歯リスクが高くなっていることを自覚した上で、正しい歯磨き習慣を実践することが大切です。これまで通りに歯磨きしていると、歯のヒビ割れの部分に汚れが残り、細菌の活動が活発化していく可能性が高いです。そのため歯のヒビ割れを放置している期間中は、歯科医院で教わった正しい歯磨き方法を毎食後に必ず行うようにしてください。これはお菓子をつまむ間食も例外ではありません。お口の中に何らかの食べ物を入れたら歯磨きをするという習慣を身につけましょう。

歯のヒビ割れは治療できる?できない?

歯のヒビ割れは、歯医者さんで治療できます。歯のヒビ割れの治療方法は、症状の程度によって変わります。

ヒビ割れ

軽度の歯のヒビ割れの治療

歯のヒビ割れの症状が軽度の場合は、歯質を少しだけ削ってコンポジットレジンを充填します。コンポジットレジン修復は歯の型取りが不要で、その場で形を整えて固めることができるため、即日治療が終わるのが一般的です。歯のヒビ割れもエナメル質内にとどまっていることから、治療する際に麻酔注射を打つ必要もありません。

中等度の歯のヒビ割れの治療

歯のヒビ割れの範囲が広く、深い場合は、コンポジットレジン充填で対応することが難しくなります。歯質をやや多めに削って、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)などを装着します。

重度の歯のヒビ割れの治療

歯の神経がある部分まで達したヒビ割れは、根管治療が必要となります。なぜならヒビ割れが生じた時点で、歯の神経が細菌に感染しているものと考えられるからです。ケースによっては歯の神経を残せる可能性もありますが、基本的には抜髄をして、根管内を清掃します。その上で土台を造り、被せ物を装着することで、歯の保存が可能となります。

治療できない歯のヒビ割れもある?

歯の頭の部分である歯冠(しかん)のみならず、根っこの部分である歯根までヒビ割れが入っているケースは、修復治療や根管治療を行えない場合があります。つまりは歯の保存が難しいことから、抜歯をしてインプラントや入れ歯、ブリーチなどを装着します。

まとめ

今回は、歯のヒビ割れを歯医者さんに「放置しましょう」と言われる理由について、吉祥寺駅3分のハート・イン歯科クリニックが解説しました。歯のヒビ割れは、極めて浅く、狭く、痛くない症状なら放置しても問題はないことがありますが、健全なエナメル質よりも汚れがたまりやすくてむし歯リスクが高くなっている点には注意が必要です。いずれにしても歯のヒビ割れで治療が必要となるかどうかは、歯医者さんでなければ診断できないことから、気になる症状が現れた時点で歯科医院を受診するようにしてください。

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